大三島 無農薬みかん農家 山﨑ご夫婦取材レポート

みかん生産者さんを訪ねてきました。

瀬戸内海に浮かぶ大小50を超える島々。芸予諸島を結ぶ『しまなみ海道』のほぼ真ん中に位置する愛媛県最大の島、大三島(おおみしま)。「みかんの生せっけん」の素材となるみかんは、この島ですくすくと育っています。育ての親は、東京からこの島へIターン就農し、無農薬のかんきつ類の栽培に取り組む山﨑学さん知子さん夫妻。島の古民家を改装して作られたショップ『リモ―ネ』には、安心でおいしいかんきつ類を使った『大三島リモンチェッロ』をはじめジュースやジャムなどが並んでいます。そんな素敵なお店を訪ね、山﨑さん夫妻にお話をうかがってきました。

かんきつ農家は高齢化が進み後継者もほとんどいないと聞きますが、なぜ就農しようと思ったのですか?
イタリア留学中にレモンリキュール「リモンチェッロ」に出会い、ガツンとくる力強い味わいに魅了され、「無農薬で栽培したレモンでお酒造りがしたい」と思うようになったのです。皮ごとしぼるためには無農薬じゃないと安心できませんからね。レモン栽培が軌道に乗り始めた頃、たまたまのご縁で後継者のいない今のみかん園地を引き継ぐことになったのです。(知子さん)
無農薬以外にもこだわりが?
たとえば、栄養としては有機肥料を与えています。使っているのは「魚かす」です。そのもととなる魚にしても、どこでとれたものとか、履歴のしっかりしているものを厳選します。また遠洋から魚が来る場合、保存料を入れることがあるんですが、そういったものが入っているものは使いません。(学さん)
これまでにご苦労された点は?
みかんは収穫時期が集中するため収穫作業が大変。当初は寝込んだりしました(笑)。しかもうちの園地はベルトコンベアも入れない狭くて傾斜のある場所にあるため一輪車(手押し車)で細い山道を何度も往復。足場も悪いため、斜面を2段ぐらい滑落したこともありましたよ。(夫妻) 大三島の夕焼けはまさに絶景
無農薬・有機栽培だからこそのご苦労も?
雑草がすごいです。養分がとられてしまうし、中に入って作業ができないし。虫もつきやすくなりますから草刈りに追われます。また以前、ひどくイノシシにやられたことがありました。ちょうどそのとき私たちは仕事で東京にいて、近所の農家さんから「おたくにイノシシが入ってるよ」って連絡を受けたのです。どうすることもできないし、もどかしい思いをしました。帰ってみると大変な状態。100キロぐらいの体重をかけて枝に乗りかかり、垂れ下がっている枝を前足で折って実を食べているんです。枝が折られまくって食べ放題のフルーツビュッフェ状態でしたね。無農薬のみかんだから狙われやすいってこともあるのでしょう。(野生の生き物たちは)薬の匂いに敏感だと言いますから。(夫妻)
日々の暮らしでもこだわりが?
「この食材はオーガニックで」と決めているものはあります。たとえばレーズン。以前に農薬のアレルギーが出たことがあったのです。そのとき「自然にからだは反応するんだな」と思いました。「みかんの生せっけん」ももちろん使っていますよ。本当に、みかんそのものといった香りです。このまま食べられるんじゃないかと思ってしまうほど。泡立ちもすごいですが、洗い上がりが違いますね。しっとりしています。(洗い上がった瞬間に)アッと思います。私はあまり化粧水やクリームは使わないのですが、そのままでもいける感じ。余分なものを吸い取っていないのでしょうかね。朝起きて脂浮きを感じることもないように思います。ちゃんと(汚れを)落としているけど、うるおうといった印象です。ぜひおすすめしたいです。(夫妻)

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